オレ自身の中で最も素晴らしかったシナリオは、リプレイにもしている「ボカロカンタービレ」という作品のシナリオだと思っている。
現在とらのあなで委託販売しているので、ぜひ読んで頂ければと思う。
という露骨なCMを挟みつつ、ではなぜこれが一番素晴らしいシナリオだったのかと言えば、おそらく「GMとシナリオとプレイヤーとキャラクターがピタッと合致したから」ではないかと分析する。
表紙を見て貰えれば分かると思うが、キャラクター達はボーカロイドと言われるとある既存キャラを使っている。
なのでリプレイとしてはキャラプレイ、AHCでは「なりきりリプレイシリーズ」なんて呼称しているが、つまりはキャラの設定が最初から決定されているし、その性格も多くの人に広く知られているところでもあり、基本的にはそれに準拠したキャラクタープレイが推奨されるセッションとなる。
よってGMであったオレは、まずはボカロらしいシナリオを作ろうと思った。
ボカロらしいとは、つまりは歌だ。
システムはSW(無印)だったので、歌とはバードだ。
よし、全員バード持ちにしてもらおう。
そしてシナリオは、歌に特化したダンジョンを作ってしまおう。
こんな感じで環境とシナリオを整えたのである。
これはハマった。
意識が統一されたキャラクター。
とある歌を見つけるんだと全員が共通での目的を持てたパーティー。
そのために降りかかる関門も、自分の特性(歌)によって突破できる、キャラクターとの親和性の高いシナリオ。
そして関門にキッチリとひっかかり、そして適切な手順で突破してくれるプレイヤー。
全てがハマり、本当にGM冥利に尽きるというシナリオ組みとマスタリングができたと実感している。
なかなかこの感覚は実際に体験してみないと分からないと思うが、こういうコトがあるのでGMはやめられない。
もちろん予期せぬ出来事や、プレイヤーの行動はある。
しかしそれも、GMが想定しない行動で、かつ想定より合理的な関門の突破をしてくれた時は、それこそ「そんな手がと」逆に関心するわけだし、それはむしろ自分でも気づけなかったシナリオの再発見であるのだから、GMとしては素直に楽しいと感じる点である。
GMは大変そうとか、難しそうとと思っている人は、いやいやGMでなければ味わえない快感もあるんだということを知って欲しいと思うのだ。
今後、GMとはなんぞや的な話題もしていくし、多分TRPG初心者の一番のつっかかりところがGMだと思うので、その辺も色々と話をしていこうとは思っているが、まずは「GMは楽しいもの」「GMでないと味わえない快感がある」という事実を知って貰いたいのだ。
GMは楽しいのである。
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