■あまおち総統エッセイ 第5話『同人リプレイ解禁を』

 AHCではTRPGの同人誌もたくさん出しているので、今日は同人誌の話でも。
 
 もちろんTRPGの同人誌の話なんだが、同人誌っつったら、まぁ盆休みと年末に開催されるコミックマーケットを思い浮かべる人がほとんどだろう。
 AHCも例に漏れず、夏冬のコミケには毎回出て、自作のリプレイ本を出している。
 興味のある人はAHCのサイトの方に情報があるので見てもらえればと思うが、基本的には既存ルールのリプレイだ。
 SWとかアリアンとか、中には「魔都物語」っていう同人オリジナルルールのリプレイなんていうものあるが、どちらにしても今のところAHCオリジナルルールやそのリプレイというものはウチには存在しない。
 そして同人誌業界(素人の集まりなので「業界」と呼ぶには適当ではないが)では、やはり圧倒的に既存ルールのリプレイ本が多いと言えるだろう。
 
 ところでJGCというのをご存じだろうか。


 詳しくは調べてほしんだが、簡単に言うとTRPGのプロの業界が業界を挙げて年に1回2泊3日という大きな規模で行うコンベンションのようなイベントだ。
 そこではプロの作家にGMをしてもらうイベントや、TRPG業界の仙人鈴木銀一郎先生にゲームで挑む場があったりと、徹夜でゲームをするようなアホ共(褒め言葉)が集うイベントである。
 でまぁ、そのイベントの一環で、サークルコーナーというものがあるんだが、そこでは自作の本とかを出展していいことになっている。
 だから最初オレらもそこに自作のリプレイを出そうと計画していたんだが、しかしそれは断念せざるを得ない状態になってしまった。
 なぜか。
 それは、二次作品の出展は禁止されていたからだ。
 
 簡単に言うと、他人が作ったルールを使用してのリプレイとか小説とか、そういうのはダメよっていうことだ。
 なんてこった。
 これを禁止されると、AHCでは全く出すものがなくなってしまうのである。
 よって結局断念せざるを得ないということになったのだ。
 
 しかし、今後のTRPG界の発展のために言わせてもらう。
 こんな程度のこと、こころよく認めろと。
 もちろん著作権法などの法令に照らし合わせれば、二次作品というのは著作権者がどう扱おうとも著作権者の自由だ。
 著作権者がダメって言ったらダメなのは、それは当然だ。
 ただ、その上で考えてもらいたい。
 逆に言うと、著作権者が黙認すれば著作権法の罪には問われない(これを親告罪という)のだから、ぜひTRPG界の発展のために、著作権をフリーにしろとは言わないが、JGCのような場であっても黙認してもらいたいのだ。
 
 当然、ルールブックをそのままコピーしたようなものとか、ルールブックが無くても遊べるような状態の内容の本とかは論外だ。
 しかしそうでないリプレイなら、むしろルールブックの売り上げに繋がる可能性はあっても、ルールブックの売り上げを阻害することにはならないだろう。
 むしろ同人リプレイを禁止することによる企業側のメリットが全く思いつかない。
 漫画やアニメの二次創作の場合は、その作品のイメージを損なうとかなんとかあるのだろうが、これがことTRPGのルールブックとなると、基本的に世界観を壊すもクソもないだろう。
 だって、独自の世界観を作ることこそがTRPGの面白味であり最も魅力的な部分だからだ。
 むしろ、独自の世界観をいかに読者に作らせるか、想像力が脹らませられるようなルールにするかが、TRPGルールの本題であると言えるだろう。
 よって、リプレイに関しては、その二次作品を作ることに関して、全ての人にメリットはあっても、デメリットがあるとは全く思えないのである。
 
 
 (次話につづく)

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1 Comment

  1. アキト

    まずサークルコーナーで金銭授受はダメですよね。だから無料頒布のみとして、コミケレベル以上の内容チェックをするとなると…事前提出制でも事務局に負担はかなりあるですよね。これがデメリットでは?

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