11月28日にAHCとしてアナログゲームの即売会「テーブルゲームフェスティバル2010 F」に参加した。
AHCとしてはこのイベントには初参加なのだが、次回からこのイベントは毎回AHCが出ている「ゲームマーケット」に統合されるので、記念的な意味も含めて参加してみた。
運営者が共にアークライトで一緒というのもあったしね。
ただ、これはゲームマーケットもそうなんだが、イベント的にメインがどちらかと言えばカードゲーム・ボードゲームなので、TRPGは傍流、ましてリプレイサークルなんていうのは今日の「フェスティバル」ではAHCの1サークルしかないという、とんでもないアウェイ感の中での出展となった。
テラさみしす(笑)
とは言うものの、同じアナログゲームなので、いつぞや出たコミックいち(普通のオールジャンル同人誌即売会)よりは全然マシだったが。
それでも、売り上げはかなり悪かった。
多分AHCの即売会史上(コミックいちを除く)最も悪い売り上げだったと思う。
正直、この結果は予想はしていた。
だから参加を決めるまではどうするかけっこう悩んだ。
しかし、それでも出ようと思った。
なぜか。
これが「業界に対してユーザーとして出来ること」だからだ。
こういうイベントに、サークルとして参加する数というものがまだまだこれだけ居るんだ、ということを内外に知らせることというのは、それなりに意味があるのではないだろうか。
今回の「フェスティバル」にしても、「ゲームマーケット」にしても、参加サークルが3年前に比べて半分になってしまったね、なんていう状況が来てしまえば、それはこの業界そのものが大変に危険な状態だと見えることだろう。
そしてそれは見えるだけではなく、事実危険な状態と言わざるを得ない。
だから、こういうイベントがあれば、例えAHCだけを見れば、赤字だし寂しいし特にメリットはなくとも、業界としての「にぎやかし」という意味だけでも参加する意味があるとオレは思ったのである。
どんなことでも、それぞれの立場で出来るっていうものはある。
アナログゲームにしても、プロにはプロにしかできないことはある。
当然ゲームを作ってルールを作ってユーザーを楽しませること、その最も基盤となる部分を作るのがプロであるし、またJGCなどの大規模イベントとなるとプロの力がなければ成り立たない。
業界はプロがあってこそだというのはその通りだ。
だが同時に、プロだけでは業界は成り立たない。
それを下支えするユーザーがいてこそ、業界は業界として成り立つ。
よってユーザーも、ユーザーとしての支え方というものが当然あろう。
それはルールブックを買ったり、カードゲームを買ったり、そしてそれを楽しく遊びというのが一番だろう。
ユーザーが楽しめるからこそお金を使い、プロを支えてこそ、健全な業界というものは成り立つのである。
しかしそれだけではなく、同時に、こうした中規模イベント、アマチュアでも参加できるイベントに参加するというのも、大きな下支えの役割の一つになるのではないだろうかと、オレは思うのだ。
AHCがいるからTRPG業界が成り立っているなんて、そんなたいそうなことは思ってもいない。
ただ、ユーザーの一員であるのは確かなのだから、AHCとして出来ることを精一杯やろうというだけなのだ。
我々は、ユーザーとしてルールブックを買ったり、新作ゲームを買ったりする一ユーザーだ。
それだけでも業界に貢献しているのだろうが、それだけでなく、もう1歩踏み出して、こういうイベントもにぎやかしとして出てみようじゃないかっていうのが、今回の動機なのである。
今回の「フェスティバル」にAHCが参加して、それが業界のために目に見える成果を上げているのかと聞かれれば、それは難しいだろう。
例えば、1円でも業界のために役立っているのかと問われると、そこまでの貢献があるかどうかは、なかなか自信を持ってYESとは言いづらい。
しかし、出ないよりはマシだと確信する。
我々が「フェスティバル」に出なければ、参加ブースは-1だった。
我々が「フェスティバル」に出たから、参加ブースは+1になった。
これだけでも、十分な成果じゃないか。
0よりも1の方が確実に大きいのだ。
それでいいじゃないか。
ユーザーとしての立場で言えば、その立場では確実に何かを成し得たと言っていいんじゃないかと。
オレはそう思うのである。
今回、売り上げはよくなかったが、多少は売れた。
AHCの本を買ってくれて、読んでもらい、リプレイっておもしろいなって思ってもらえれば、我々は当然うれしいし、またそれが切っ掛けで実際にこのゲームをプレイしてみようと思えば、業界にも貢献できたと言えよう。
それから1つうれしかったのが、家族連れで来ていた方々で、AHCのリプレイを子供が大変にせがんで買っていってくれた方がいた。
これはうれしかった。
おそらくAHCで買ってくれた最年少ではないかと思う。
これを金額という数字にすれば、微々たるものだ。
しかしそれ以上の価値が、今日の「フェスティバル」参加にあったと思う。
こういうことがあるから、イベント参加がやめられないのだ。
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