Twitterのタイムラインで話題になっていたので、自分の経験を元にとりとめもなく書く。
自慢ではないが、オレはなんでも出来る。
文章を書きながら、雑誌の編集と指揮を行い、DTPを組みながらロゴも作って、他組織と調整を行いながら営業も行う。最近は舞台のプロデューサーとか劇団のアドバイザーなんかもしてたりする。
そしてこれまでTRPGのオリジナルルールを作り、そしてボードゲームのデザインもこなした。
次のゲームマーケットでは、結構自信作のカードゲームを出すことができると思っている。
そう、アナログゲーム界を見渡しても、企業やサークルでTRPGとボードゲームの両方を出しているところはあっても、デザイナー本人が両方作ってしまうというのはあまり例がないと思われる。
数人ぐらい?
そんな希有な経験を持つオレであるからこそ、作る側としてのTRPGとボードゲームとの違いを挙げることができるのではないだろうか。
たまにボードゲームデザイナーに言われるのが「TRPGは作れない。難しい。大変。TRPGをよく作れるね。凄いね」という意見。
では両方作っている身としてこれをどう考えるかだが、それは、一部は当たり一部は違うと思っている。
というのも、TRPGを作ること自体は難しくはないのだ。
だって好きなんだからアイデアはたくさんでるし、ルールも、考えること自体が楽しいのだから。
ただ、大変なのはその通り。
TRPGは完成させるのが大変なのである。
なにせ考えることはルールだけでいっても、判定方法と戦闘方法とキャラクターの作り方とアイテムの使い方とかなんとか、さらに世界観も必要で、この場合、国家や町や村や宗教や人種や政治やNPCの存在や、そして敵役の存在やらなんやらかんやら、もう決めなければならないことが多すぎる。
その上、これら全てを無理なく自然に1つのゲームという世界に落ち着かせなければならないのだから、そのバランスを取るのは本当に大変だ。
ただオレ的には、しばらく「ボードゲームの方が難しい」と思っていた時期はある。
というのも、ある種ボードゲームというか、特に30分程度のカードゲームなどの場合、ワンアイデアでの基本ルールが中心となるので、そのワンアイデア、1つのものだけをいかに完成させて磨き上げるかにかかってくるわけだから、ワンアイデアの部分の取り返しが付かない分、難しいと感じていた。ワンアイデアがダメなら何やってもダメなわけだからね。
いや、いまでも難しいと思っている。
一方、TRPGは全体の世界観のバランスが取れてさえいれば、とりあえずは遊べてしまうのだ。
なにしろTRPGは「ルールブックに載ってないことがあれば、その場でGMが自由に判定していい」というファジー機能がデフォルトで付いているので「事故る」ことがほとんどないため、最低限成立はするのだ。
大変な分、最後は「まぁなんとかなるわ」で済んでしまう部分もあったりする。
こんなこと書くと他のTRPGデザイナーさんに怒られそうではあるが、もちろんそういう部分があるからこそのTRPGの魅力なわけで、ただデザインするという意味では、オレはそういう感覚で「ボードゲームの方が難しい」と思っていた。
いまは実際にボードゲームも出したのでそこまで苦手意識はなくなっているのだが、だから「どっちの方が難しい」とは言えない。
ただしかし、確実なのは「大変なのはTRPG」である。
そしてそれは実際に作り手の数が物語っているだろう。
ゲームマーケットとコミケの両方のサークルを(かぶっているところを除いて)足し合わせたら、これは比べるまでもなくボードゲームの方が多い。
やはり、完成させるまでのハードルは、TRPGよりボードゲームの方が低い(と感じている人が多い)のだろう。
まぁそんなことを言いつつ、オレはやはりTRPGを作りたいなぁと思ってしまう。
構想だけならたくさんあって、学園モノと本格純ファンタジーは絶対に作ろうと心に決めているのだが、いかんせんやはり完成にはまだまだほど遠い。
そしてふとしたワンアイデアでボードゲームを先に作ってしまうのだから、感覚的にこの考察は合っているんだろうなと一人で納得するのだ。
サイと
私もTRPGとボードゲームの両方を作りました。
たしかにTRPGの方が完成させるハードルが高く感じます。
ただ、私の作ってみた感じだと、TRPGは一回でも完成させてしまえば、いくらでも続きが出せそう、というか、出せる、と思いました。
逆にボードゲームはワンアイディアですから、成功したボードゲームを1つ出しても、続きを考えるのは難しく、新しく別のボードゲームをひらめくのはもっと難しいように感じます。
つまりTRPGとボードゲームは一長一短、鏡合わせなところがあると思いました。